フランケンシュタイン(1)

2020年1月10日(金) 13:00~ (日生劇場)
中川晃教さん、加藤和樹さん、音月桂さん、鈴木壮麻さん、相島一之さん、露崎春女さん、朝隈濯朗さん、新井俊一さん、岩橋大さん、宇部洋之さん、後藤晋彦さん、白石拓也さん、当銀大輔さん、丸山泰右さん、安福毅さん、江見ひかるさん、門田奈菜さん、木村晶子さん、栗山絵美さん、水野貴以さん、宮田佳奈さん、望月ちほさん、山田裕美子さん、吉井乃歌さん、小林佑玖さん、山口陽愛さん

3年ぶりの再演である。

今日は2階の上の方からの観劇。舞台からはやや遠いが、照明がとてもきれいなので2階席もなかなかよい。あの、青と紫と緑の色合いが神秘的で素敵だ。

久しぶりに、やや冷静に観てみると、やっぱりかなり”なんじゃこりゃ”なストーリー。そして暗い。重い…
でも様々な問いかけをしてくるし、考えされられることは多い。
科学とは、人間とは・怪物とは、生きるとは………?

ストーリーに関しては、初演の初見で感じたものと今回受けた印象はそう変わらなかった。正直言って、あまり好きな話ではない。でも、内容を知っているから当時よりは抵抗は少なくなっていた。

こんなことを言っていても、もう一度観ればこの作品の魔力に取りつかれるだろうこともわかっている。よくわからないうちに、作品の作り出す巨大なうねりに飲み込まれてしまうのである。今日はまだ無事なので、観終わってぐったりはしたけれどわりと冷静だ。

全体的なことで印象に残ったのは、流れがとてもスピーディーだったこと。どんどんどんどん進んでいく。立ち止まって考えている余裕はない。少し長めの暗転があったのは、私の記憶では一度だけだった。

その怒涛の流れと畳みかけるドラマチックな音楽とで、やや強引に観客を連れていく。ジェットコースターにでも乗っているような気分になった。

ただ、今日はあんまり音響のバランスがよくなくて、どの人が歌っても歌詞がよく聞き取れなかった。初演を観た人は大丈夫だろうけど、今回が初めてだったら全然話についていけないかもしれない。ここは改善されるといいなあ。
今日は2階席で演出の板垣氏がご覧になっていたから、きっとよくなると期待!


キャストについて。
リトル・ビクター小林さんは、だいぶ幼い感じがしたけれどおいくつなのだろうか。利発そうな雰囲気とよく通る美しい声が印象的。あの、難解な内容な歌はちょっと歌いにくそうだったが。
リトル・ジュリアの山口さんは、落ち着いた演技でいいところの純粋なお嬢様感が出ていてよかった。

大人ジュリア&カトリーヌの音月さん。今回もカトリーヌの力強さが光っていた。パワーアップしている。生に対する強烈な執着と、何があっても生き抜けそうなあの強さはすごい。
カトリーヌのパワーアップ具合に伴い、ジュリアの存在感も増しているように思う。自分の意志とビクターに対する気持ちの強さを、前よりも強く感じた。

エレン&エヴァは露崎さん。今回プリンシパルで唯一の新キャスト。そして初舞台だとか。それがこのパワフルな一種独特なミュージカルで、なおかつ前任者が濱田めぐみさんというのは、なかなかに過酷な条件だと思われる。

立ち姿がきれいで存在感もあるけれど、どうしてもめぐさんの印象が強く残っているので正直物足りなさがある。
歌も決して悪くないけれど、あの広がりと母性に対抗するにはまだご自身の色が薄いようにも感じられた。キーが、得意なところと少し違うのかなあ?

暗い物語の中での癒しの存在ルンゲは、今回も壮麻さん。いい人だ…。そしていい声だ…。あんなに一途な執事がいたら、ビクターももう少し人間らしくなってもよさそうなものを。
イゴールは今回もやっぱり、もはや誰だかわからない状態

ステファン&フェルナンドの相島さんは、フェルナンドの方が圧倒的に得意そうだった。あの短い登場シーンでも、しっかり爪痕を残していく。厳格なステファンおじさまも素敵だけど。

アンリ&怪物は加藤さん。いやぁ…なんというか、すごいね。歌がかなり安定感を増したので、演技の凄味が際立っている。

アンリは屈折したものを内在しているはずなのに、とてもさわやか。偏屈なビクターに対しあれだけ心の距離を近づけられるのはなぜなのか、ルンゲじゃなくてもその秘密が知りたくなる。そして、無実なのに、死に対して何の疑問もためらいも感じていないようなのがまた不思議だし、ちょっと怖くもある。死刑判決を受けてからも、ずっと笑っているんだよね…。

怪物は、生まれたての体がおかしな状態から、少しずつ知能をつけて体も機能するようになって、という過程が丁寧に演じられていて素晴らしかった。過酷な状況で生きざるを得ず、自分を生み出したビクターを恨んで追い詰める。あんな壮絶な役を演じたらカーテンコールで魂が戻ってこなくても仕方がないわ。

ビクター&ジャックは中川さん。
アッキービクターは、冒頭の台詞回しが落ち着いた感じになっていてよかった。初演時は結構早口だったが、今回は上役らしさが出ていてよい。

そして、偏屈・変人具合もパワーアップした感じ(ほめてます)。姉のエレンがとても気の毒に感じられたくらい、他人をシャットアウトした天才ぶり。それなのに、アンリといるときのあのかわいらしさは何なの…!?

一方で、怪物の復讐が始まってからはかなり怯えている。守るものができて人間らしさを取り戻したのか、ジュリアの愛のおかげか。そして、ラストのボロボロ具合はちょっとヴォルフガングを彷彿とさせるな、なんて思ったりもした。

最後の最後、「フランケンシュターーーーーイン♪」の「ーーーーー」(ロングトーン)の間に、気持ちがぐわーっと変化しているのがわかるのもすごい。救いようがなさすぎるこの作品の中で、ほんの少しだけ見える光だと思う。

ジャックの時は小物感が漂う。欲望にまみれ残虐だけれど、極悪人ではなくて小悪党(やっていることはかなり酷いが)。
歌もビクターとは違って軽妙な歌い方で、役柄関係なく歌だけだったら、私はジャックの歌が一番好きかもしれない。

ところで、初演時のジャックは帽子をかぶったままだったと思うが、今回は帽子を取っている時間が結構ある。その頭はてっぺんが赤い鶏冠のようなヘアスタイル!カッキーはどうなんだろ?


…と、こんな感じの最初の観劇。
意外と出演者は多くなくてアンサンブルさんたちはフル回転、セットも高所だったり転回したりするので、けがや事故なく安全に盛り上がってほしい。

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